質の良い睡眠とは
ノンレム睡眠とレム睡眠がバランスよく取れていることなど専門的な見方はいくつかありますが、質の良い睡眠を判断するには次のことをチェックしてみてください。
- 寝付きが良い
- 深い眠りが取れている
- 寝起きがスッキリしていて、疲労感が残っていない
- 6〜7時間の睡眠が取れていること
脳と身体がしっかり休息できると、就寝時に分泌されるべきホルモンがきちんと分泌され、細胞修復や筋肉合成、成長促進といった作用が働くことが「質の良い睡眠」と言えます。
痩せることと睡眠が繋がっているのはなぜ
睡眠の質の低下・睡眠時間の短縮によって食欲抑制ホルモンと呼ばれる“レプチン”の分泌が低下し、食欲促進ホルモンと呼ばれる“グレリン”の分泌が増進されます。
睡眠時間が短いと、なにか食べたいという欲求が無性に高まり、「食べ出したら抑制が効かない」「食べすぎてしまう」という状態が生まれやすくなります。
また、睡眠中には「成長ホルモン」(通称痩せホルモン、老化防止ホルモン)が分泌されるタイミング。
このホルモンがスムーズに分泌されることで、就寝時に痩せやすい状態、脂肪燃焼しやすい状態を作り出すことができます。
睡眠条件が揃わないとこの成長ホルモンは分泌されにくいため、睡眠の質と睡眠時間の低下は痩せにくい体質を作ってしまうのです。
睡眠低下の要因
(1)ストレス
仕事が忙しくリラックスできない、人間関係トラブル、精神的なストレスによって自律神経が乱れ、リラックスできないことで眠りにつきづらい状態、眠りの質が浅い状態に陥ってしまいます。
(2)生活習慣
暴飲暴食、寝る直前の食事などで内臓疲労が蓄積している場合、睡眠の質が低下します。
特に飲酒は、入眠時こそ数時間は眠りが深くなりますが、時間が経つほど浅くなり、睡眠の質を低下させてしまいます。
(3)液晶画面の刺激
寝る直前までパソコンやスマホを見ている場合、入眠や起床時間が不規則な場合、自律神経を乱して睡眠の質が低下する可能性があります。
(4)カフェインの摂取
コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれるカフェインによって、興奮系ホルモンであるアドレナリン濃度が高まります。
夜にカフェインを摂ると覚醒作用が働いてしまうため、睡眠の5時間前には控えるのがベストです。
睡眠の質を上げるために
質の良い睡眠を取るための方法をいくつか紹介いたします。
(1)リラックスできる環境作りを行う
自律神経のひとつである「副交感神経」を優位な状態に切り替えることで、心身ともにリラックスし、入眠を促す流れを作ることができます。
- 深呼吸やストレッチを行う
- アロマなどリラックスできる香りを活用する
- リラックスできる音楽を聴く
- 寝る1時間前には、スマホなど液晶画面を見ない
- 明かりを消す
(2)空腹睡眠を心がける
寝る直前に食事を摂ると就寝中も身体が消化作業に集中してしまい、成長ホルモンの分泌が抑制されるなど、本来は寝ている間に働かせたい作用がうまく機能しない状態になります。
眠りが浅く、起きても疲れが取れない、胃もたれ、だるいなどの体感を生み出し、起床時に不快感を覚える原因につながります。
寝る3時間前までに食事を済ませ、空腹睡眠の徹底を心がけましょう。
生活リズムの乱れや食べ過ぎ、飲み過ぎが続くと、疲れが釣れない、睡眠の質が悪い、と感じることもあります。
そんな場合はファスティングを取り入れることもおすすめ。
ファスティングによって空腹睡眠が取れで、睡眠の質が向上します。
また、内臓機能改善されて代謝酵素が活発になり、痩せやすい状態が作らます。
短期間で生活の質、身体の質、睡眠の質を向上させることができます。
(3)就寝前に体温を温める
入眠の約2時間前に体温をあげることも有効です。
たとえば暖かい飲み物を取り入れる、36~38度のお風呂に30分程度入浴する、といった方法があります。
人は体温があがると同時に眠気を感じやすく、副交感神経も優位になるため自然な入眠に導きやすくなります。
温かい飲み物は白湯やノンカフェイン飲料、ココアがおすすmです。
(4)生活リズムを整える
1日3食を一定の時間に摂り、就寝時間や起床時間を一定の時間に習慣づけることも大切です。
夜更かしや、寝る直前まで活動していると身体のリズムが崩れてしまい、翌日の日中に眠気を引き起こし、寝たい時に寝れないという悪循環に陥ってしまいます。
(5)睡眠時間は6〜7時間を確保する
今日の研究では、最適な睡眠時間は6〜7時間だと言われてします。
それ以下でもそれ以上でも、かえって睡眠の質は下がると言われています。
ストレスや疲労が重なると自律神経が乱れ、ホルモン分泌も乱れてしまい、健康やダイエットにも支障を及ぼします。
最低限睡眠時間を確保することで身体が休まり、リセットできるタイミングとなるため眠ることはとても重要なのです。
セロトニンと睡眠の質
夜になると自然に眠気を感じる現象は、メラトニンというホルモンが引き起こしています。
このメラトニンは、セロトニン(通称幸せホルモン)というホルモンが日中のうちにしっかり体内で分泌されていることが肝心です。
セロトニンの分泌量に応じて、夜になるとメラトニンに変換される仕組み。
日中に多くのセロトニンを分泌させておけば、夜になると自然な眠りが促されるということです。
セロトニン作りに必要なこと
- 朝日や午前中の太陽の光を浴びる
- 朝の散歩(30分以内)や通勤時の歩行
- 腸内環境を整える
- よく噛んで食べる
- タンパク質(トリプトファン)を摂る
セロトニンは、太陽の光を浴びる、上下の刺激(歩行・咀嚼)をすることで主に体内合成されます。
息の上がる運動やランニングよりも、心地いいと感じる程度の散歩でセロトニンは分泌します。
食べ物からも分泌を促進することができます。
アミノ酸の1種「トリプトファン」が含まれる食材の摂取が体内でセロトニン合成をしてくれます。
トリプトファンの含有が多い食材は、乳製品(牛乳やヨーグルト・チーズなど)、大豆製品(豆乳や納豆、きな粉や味噌など)、バナナ、ごま、ナッツ類、鶏胸肉などです。
豆乳や牛乳ベースのバナナシェークを朝食に取り入れることでもセロトニン作りに繋がります。
体内でのセロトニン分泌を促す行動は、午前中が最適とされています。
可能であれば、朝のうちにできることや適切な食材を取り入れることがおすすめ。
また、体内で作られるセロトニンの90%は腸で作られることから、日頃から野菜や海藻類・キノコ類などの食物繊維類にプラスし、納豆やお味噌、ヨーグルトなどの発酵食品を取り入れ、腸活を心がけることも良質な睡眠作りに繋がります。
睡眠を整えることで、自律神経やホルモン分泌の安定を保ち、結果として食欲コントロールや痩せやすい身体作りに繋がることをお話しました。
痩せるという目的の前にまずは健康な状態を保つこと。
毎日の生活を健やかに過ごすことで、ダイエットがより効率的なものとなります。
人の身体はストレスや疲労など、マイナス因子が増幅することでバランスを乱し、不調を生み出しやすいため、日頃から睡眠は整えておくことが肝心です。
効率よくダイエットしたい、仕事の集中力を向上させたい、疲れにくい身体づくりをしたいと感じている人は、まずは睡眠を見直してはいかがでしょうか。