「減らす」ダイエットはもう終わり!“食べて痩せる”を栄養のプロが教える

「減らす」ダイエットはもう終わり!“食べて痩せる”を栄養のプロが教える

食べる量を我慢すれば痩せられる−−

そう思っていても、今日もつい食べてしまった…。

ダイエットを決意しても、我慢しなければという焦りと、食べたい気持ちに悩むことは多いのではないでしょうか。

でも、無理に食事を我慢しなくても、痩せることはできるのです。

 

栄養のプロである管理栄養士が、食べて痩せる「食べかた」を説明します。

 

「食べたい!」気持ちはどうして起きるの。

私たちは食べることによって、生きるために必要なエネルギーを補給します。

食べることは人の楽しみの1つであり、食べることで満足感が得られます。満足感が十分に得られない場合に、「もっと食べたい」と思ってしまうのです。

この「もっと食べたい」気持ちは、必要な「栄養素の不足」によって引き起こされることもあります。例えば、たんぱく質やミネラルの不足。これらが欠けると、甘い物への欲求が高まります。食物繊維が不足するとすぐにお腹が空いてしまって、これもまた「食べたい」の気持ちにつながってきます。

 

つまり、必要な栄養素が摂れていて、食べた満足感が得られていれば、食べたい気持ちをうまくコントロールすることができるのです。

 

「食べかた」を工夫すれば、食べても痩せることができる

どうすれば「食べたい」気持ちを抑えることができるのでしょうか。

胃が膨れ、血糖値が上がってくると、満腹のサインが出て食欲が抑えられます。この「お腹いっぱい」を感じさせてくれるのが、満腹中枢です。満腹中枢から「満腹」のサインが出るまで20分ほどかかります。この20分の間に、何を・どのように食べるかが大切です。

 

「痩せる食べかた」のポイント 

何を食べる?どうやって食べる?

満腹中枢が働くためには、水分を多く含む食材で胃を膨らますことが必要です。その働きを促す成分が、食物繊維です。野菜、海藻、きのこ類に多く含まれる食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにし、摂食中枢が働き始める時間を遅らせ、腹持ちも良くしてくれるのです。特に海藻類はミネラルも豊富です。ミネラルは、甘い物への欲求を抑えると同時に、善玉菌のエサになるため、ヤセ菌が増える効果もが期待できます。

食事が外食中心の方、濃い味を好む方、冷えやすい方は、むくみにも気を付ける必要があります。味付けは薄味を意識し、塩分を出す作用のあるカリウムをしっかり摂るようにしましょう。野菜、海藻、きのこ類はカリウムも多く含んでいます。食物繊維とカリウムを摂って、むくみのないすっきりしたカラダ作りにつながります。

 

1.たんぱく質を一緒に食べる

肉、魚、卵、大豆製品などに含まれるたんぱく質は、筋肉の維持に重要な役割を果たします。筋肉があると基礎代謝が上がるため、男性も女性も、筋肉をつけることが痩せやすいカラダづくりにつながります。ダイエット中は脂肪とともに筋肉も落ちやすいため、体重1kgあたり1日1.2gのたんぱく質を摂ることを意識しましょう。体重50kgの方であれば、約60gのたんぱく質を3食に分けて食べると、筋肉維持に有効です。また、1日の始まりである朝食には必ず筋肉の材料を摂取しておきましょう。卵や納豆、ツナなどのたんぱく質の多い食材を1品以上食べることがおすすめです。

 

 2.ビタミンB群や亜鉛を摂る

ビタミンB群や亜鉛などのミネラルが不足すると、本来持っている代謝力が下がってしまいます。糖質や脂質を控えて総カロリーも抑えているのに痩せない・・という方は、ビタミンB群や亜鉛などの代謝に関わる栄養素が不足している可能性があります。肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質の多い食材は、ビタミンやミネラルも多く含んでいるため代謝の維持・向上には欠かせません。ダイエット中の方は特に、消費する力を高めることが大切です。

 

 3.噛んで楽しみを増やす

食べものを舌で感じる味わいや食感は、食事の楽しさです。一口を小さく、一口ずつよく噛んで食べれば、舌に当たる表面積が増えるため、味わう量を増やすことができます。一口の楽しみを感じながら咀嚼することで、自然と食べるために時間がかかり、満腹中枢が働いてくれます。食べ過ぎも防いでくれます。また、よく噛むことで血糖値の急上昇を防ぐため、腹持ちの良さにつながります。

 

夏までに痩せたい!ダイエットはいつ始めればどれくらい痩せられる?

筋肉量を落とさず痩せるには、1ヶ月で1kg減、3ヶ月なら3kg減の目標がおすすめです。脂肪1kgを落とすには約7,200kcalのカロリーカットが必要です。1日に置き換えると約240kcalを減らす必要があるので、普段2,000kcal/日を食べている場合は、1750kcal/日に抑えましょう。総カロリーだけではなく、摂取する栄養素に気を付けましょう。野菜、海藻、きのこ類を食事に摂り入れることがポイントです。

さらにハイペースで減量したい場合は、運動を併用して1ヶ月で2kg減を目標にしましょう。4月にダイエットをスタートすれば、夏が来る7月までに5〜6kgを落とすことが可能です。

 

3カ月で3kg減の「食べかた」

次は、具体的に3ヶ月で3kg痩せるための食べかたをご紹介します。

 

【食事例】

朝食(目安:500kcal前後)

・納豆ご飯(150g)

・野菜中心の具だくさん味噌汁

・フルーツヨーグルト(無糖)

準備に時間をかけることが難しい朝は、パターン化しやすい物を活用して、栄養バランスを摂りましょう。食物繊維と共に腸内環境を整えてヤセ菌を増やすのが発酵食品です。納豆とヨーグルトで腸内環境を整え、たんぱく質を補給するのがおすすめです。これらの発酵食品は血糖値の上昇を緩やかにし、また、ヤセ菌を増やしてくれます。納豆のトリプトファンは、ストレスを緩和するセロトニンの生成を促します。ダイエットしなければ・・という気持ちがストレスとなり、ついスイーツに手が伸びてしまう方は、ぜひ摂り入れてみてください。さらに海苔を添えると、脂肪を燃焼させる時に必要なビタミンB2が強化され、エネルギーが消費されやすくなります。お味噌汁に野菜を入れることで、さらに食物繊維を摂ることができます。オクラや小松菜などの色の濃い野菜は、食物繊維に加えて、代謝を促すビタミンや食欲を抑えるミネラルも豊富です。お味噌汁の具材として、ぜひお試しください。

 

昼食(目安:700kcal前後)

・ご飯(180g)

・サバの味噌煮

・ひじきの煮物

・金平ごぼう

・ほうれん草のお浸し

仕事先で外食になりがちな昼食は、700kcalを目安に根菜類や葉物の野菜が摂れるメニューを選びましょう。ひじきやごぼう、ほうれん草は、低カロリーでありながらマグネシウムを多く含む食材です。マグネシウムを摂取することで、食後や夕方にスイーツが食べたい衝動を防ぎます。できるだけ丼は避け、ご飯とおかずが別になっている和定食やお弁当を選ぶのがおすすめです。どうしても単品になってしまう場合は、たとえばビビンバやちゃんぽん麺など、野菜がたくさん入っているメニューを選んでみてください。

 

夕食(500kcal前後)

・ご飯(150g)

・冷しゃぶ

・具だくさんスープ

メイン料理は茹でるか蒸す調理方法が、油を使わずカロリーを抑えやすいのでおすすめです。豚肉は良質なたんぱく質が摂れる上、糖質を燃やす時に必要なビタミンB1が多く含まれています。脂が少ない赤身中心の豚もも肉を100g程度、野菜やきのこは合計250g以上を目安にたっぷりと添えましょう。鶏肉を使う場合は、皮を取り除いたむね肉を蒸し鶏にして使いましょう。皮を取り除けば脂質を抑えられ、低カロリーに適度なたんぱく質を摂ることができます。メインのお肉料理には、野菜を添えましょう。トッピングにブロッコリーを加えると、ビタミンB1が補強できます。お肉以外のメニューであれば、鮭とたっぷりの野菜・きのこを使ったホイル焼き、ちゃんちゃん焼きも、カロリーを抑えながら必要なたんぱく質と、糖質を燃やすビタミンを多く摂ることができます。

 

 

もし食べすぎてしまってもリセットできる?

外食が続いた時、食欲が抑えられずに食べすぎが続いてしまった時も、早めに対処すれば大丈夫です。食べすぎた食事は2日ほど肝臓に溜まっています。2日間カロリーを控えれば、食べすぎをカラダへ定着するのを防ぎます。肝臓の疲労を早めに取り除くことで、基礎代謝能力が回復し、エネルギーを消費しやすくなります。

肝臓に溜まった食事(エネルギー)がスムーズに使われるよう、代謝を促すビタミンB群を補いましょう。玄米やオートミールを使ったお粥、きのこスープなどは血流を促してくれます。水分が一緒に摂れるため、低カロリーな上に満腹感が増します。また、ビタミンB群やミネラルを補えるメニューです。肝臓の疲労回復を助ける食材としては、タウリンを含むカキやアサリ、ホタテなどの貝類を具にプラスするのもおすすめです。

 

食べかたは、ライフスタイルと嗜好によって人それぞれ大きく異なります。

意識してこなかった自分の食事を客観的に見つめ、特徴を知って効率よく痩せたい!でも、食べないダイエットはつらい!という方は、

DELIFAS!のカウンセリング付きファスティングがおすすめです。ファスティングによって無意識だった習慣を見直し、カラダをリセットして代謝を高めることができます。ライフスタイルに応じて、担当の管理栄養士が個別にアドバイスするため、ファスティング後の普段の生活で取り組める「食べかた」が身に付きます。ちょっとした工夫で、食事を楽しみながら食習慣を変化させることができます。

必要な栄養素を摂り、あなたに合った食べかたで、ダイエットも健康なカラダづくりもかなえましょう。


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