そもそもプロテインとは?
「プロテイン」と聞くと、運動後に飲むプロテイン飲料などの商品が思い浮かびますが、「プロテイン」とは本来「タンパク質」という意味です。
私たち人間の皮膚、髪、爪、筋肉や内臓などの細胞ひとつずつがタンパク質を主成分としてできています。
また、酵素やホルモンの一部を作るのもタンパク質で、ヒトの身体の中で水の次に多い成分と言われています。
プロテインの種類
販売されているプロテインの種類は様々ありますが、大きく分けると「動物性プロテイン」と「植物性プロテイン」のふたつに分けることができます。
ここでは、それぞれのプロテインの特徴をお伝えします。
【動物性プロテイン】
(1)ホエイプロテイン(牛乳由来のタンパク質、牛乳から乳脂肪やカゼイン※を取り除いた水溶液(乳清))
※ヨーグルトの透明な上澄みの部分
特徴
- 体内への吸収が最も早い(約1〜2時間)
- 栄養価が高く、ビタミンミネラルが豊富
- B C A A(分岐鎖アミノ酸)が豊富で、吸収が早く筋肉合成しやすい
- 水に溶けやすく癖がないため飲みやすい
- 手軽に摂取できるパックタイプでも販売されている
- 食欲抑制効果も発表されている
※「乳糖不耐症」の方は、乳糖が含まれる牛乳由来のプロテインはお腹が緩くなる原因になります。
「W P C(コンエセレートタイプ)」はタンパク質含有量が75%程度のため、乳糖不耐性の方にとって不向きですが、「W P I(アイソレイトタイプ)」であれば、タンパク質含有85%と高く比較的安心して取り入れることができます。
(2)カゼインプロテイン(牛乳由来のタンパク質、生乳を構成する80%のタンパク質)
特徴
- 体内への吸収時間は長時間(約7〜8時間)
- 体内のアミノ酸濃度が高い状態を保ち、筋肉分解のリスクを軽減
- カゼイン(粉)を水に溶かすと、凝固しプリプルになることで腹持ちが良い
【植物性プロテイン】
(1)ソイプロテイン(大豆由来のタンパク質)
特徴
- 最もポピュラーな植物性プロテイン
- 吸収時間は3〜4時間と比較的ゆっくり
- 大豆に含まる“イソフラボン”は、女性ホルモンである“エストロゲン”と同じ役割を担うため女性におすすめ
- アミノ酸スコアは動物性プロテインに劣らない
- 溶けにくい飲みづらいものが多かったが、最近は味にもこだわった商品が多い
(2)エンドウ豆プロテイン(エンドウ豆由来のタンパク質)
特徴
- 吸収時間が3〜6時間と比較的長時間
- エンドウ豆の特徴で満腹感が長く、腹持ちが良い
- アレルギーの原因となるものが含まれていないため、幅広い層の方が取り入れられる
- 食後血糖値を安定させる効果が発表されている
- 栽培にコストがかからないため、オーガニックで環境に配慮した食材からできている
植物性プロテインの需要が高まると同時に、最近では玄米由来、ヘンプ(麻の実)などを原料としたプロテインも見かけるようになりました。
プロテインは痩せる?
「プロテインを飲むと太るから心配で飲めない」
「プロテインを飲むと痩せる!」
という声を耳にすることがあります。
どちらも答えはNO!
プロテインを飲んで、太りもしなければ痩せるものでもありません。
プロテインは「タンパク質」であり、肉や魚、卵や大豆製品を食べるのと一緒。
取り過ぎればカロリーオーバーとなり太るリスクを上げ、足りなければ筋肉が落ち、代謝が落ちて痩せにくく太りやすい体質になってしまいます。
大事なのは、自分に合ったプロテインを摂り入れているか。
正しく摂り入れることで、ダイエットにもボディメイクにも繋がります。
ダイエットに役立つ効果的なの取り入れ方とは??
・トレーニング直後には必須
プロテインの特徴は、“吸収しやすいタンパク質”であることから、トレーニング後、筋肉が消耗したタイミングが最も効果を発揮します。
高重量を要するトレーニング、長時間の有酸素運動、どちらも結果として筋肉の消耗や筋繊維が破壊されることで、筋肉の修復作業が必要となります。
トレーニング後30分以内が筋肉のゴールデンタイムと呼ばれ、そのタイミングで取り入れたプロテインは、筋肉の栄養となり筋肉の合成を加速させ、ボディメイクや代謝U Pにつながります。
・間食に活用
間食はタンパク質補給の時間とし、身体が欲する栄養を与えてあげるのがおすすめです。
プロテインは高タンパクで低脂質・低糖質。
苺味、キャラメルやチョコーレートなど多くのフレーバーもあるので、スイーツ感覚で飲むことができます。
・忙しくて食事が取れない時
食事を抜くという選択肢は、身体づくりにはマイナス。
最低限の栄養補給としてプロテインを取り入れるということで活用できます。
身体を構成する筋肉の栄養など細胞の栄養となります。
筋肉が落ちると代謝が落ち、リバウンドしやすい身体になりやすくなってしまいます。
・偏った食事の補正として
忙しさや外食から、栄養バランスが崩れてしまうことも。
そんな時の手軽なタンパク質補給としてプロテインの活用もおすすめです。
ダイエット中にプロテインを取り入れるときは、1食の食事バランスや量を整えることが前提です。
食事で充分にタンパク質を取れている場合、無闇にプロテインを追加する必要はありません。
タンパク質の不足時に、お助けアイテムとして活用してみましょう。
太ってしまう間違った取り入れ方
・カロリーオーバー
身体に良いからと言って、1日の摂取量(栄養量)が満たされている上にプロテインを摂取すると、単純にカロリーオーバーとなります。
運動をせず、いつもの食事にプロテインを飲むと太る原因にもなります。
・プロテインに使われている“糖”が原因
プロテイン商品のなかには、糖質量が高いもの、飲みやすさや筋肥大目的用のために「砂糖」や「ブドウ糖」など吸収の早いタイプの糖が使われているものも存在します。
ダイエット目的の時に糖質入りのプロテインを摂取すると、過剰な糖質摂取となり痩せにくくなります。
プロテインはボディメイク以外にも効果があるの?
タンパク質の役割は、筋肉の栄養以外にも、お肌や爪、髪の栄養にもなります。
プロテインを取り入れることで必要なタンパク質が満たされ、美肌、艶のある髪の毛、健康的な爪、免疫力Uアップに繋がります。
さらにプロテインには、より吸収しやすいように配合されているものも多く存在します。
タンパク質の吸収を促すビタミン(B6)や、食事では不足しがちなビタミンミネラル、製品によっては脂肪燃焼を促進する中鎖脂肪酸(MCT)などダイエット効果を促進してくれる成分も入っている製品が多数販売されています。
飲むサプリメントに近いとも言えます。
また、どうしても食事として栄養補給が取れない場合、1食置き換えタイプや完全栄養食というものも販売されています。
これらは、糖質や脂質、1日に必要なビタミンミネラルが1日の1/3分の量を計算されて配合されているので、安心して1食の栄養を満たすことができます。
効果的な取り入れ方
様々な種類がある「プロテイン」は、シーン別に複数の種類を使い分けることができます。
トレーニング前後
[ホエイプロテイン]
吸収の早いプロテイン特性を活かし、トレーニング前後がおすすめ。
ホエイが体質的に合わない場合、ソイやエンドウ豆などの植物性プロテインでもOK。
起床時
[ホエイプロテイン]
夜〜朝まで、最も空腹時間が長いタイミングとなる“起床時”。特にダイエット中で食事を制限している場合、筋肉分解が起きやすい状態となっています。そんな時こそ、瞬時に吸収してくれるホエイタイプは理に叶った素材。
※また、B C A Aや※H M Bなどアミノ酸が補強されているタイプは筋肉の分解抑制、合成促進を行ってくれるため、トレーニング後や空腹時、起床時にはおすすめ。
※ロイシン代謝物
就寝時
[ソイ、エンドウ豆プロテイン、カゼインプロテインなど]
1日の中で、最も空腹時間が長く続く“就寝時”は上記、吸収時間が長く続くタイプのプロテインの取り入れがおすすめ。
特に糖質制限・ケトジェニックダイエットなど、糖質を極端に制限した食事をしている場合、筋肉分解が起きやすい状態になるため、就寝前の摂取が大事と言えます。
空腹時
[ホエイ、ソイ、エンドウ豆など]
空腹時、ダイエット中であれば筋肉分解のリスクが高まっているため、プロテインの摂取が大事です。
ホエイには食欲抑制効果があり、ソイやエンドウ豆は腹持ちが良いといわれるため、お好みに応じて間食としてプロテインを摂取することがおすすめです。
ここまで、プロテインの種類や目的に合わせた効果的な取り入れ方としてお伝えしてきました。
目的に合わせること、正しく取り入れることで、プラスに働くことになります。
また、「プロテイン=タンパク質」は、身体の仕組みから一度にたくさん吸収できないものでもあります。
一人一人の体格にもよりますが、1食20g〜25gを目安にご自分のライフスタイルや目的に合わせてプロテインを上手に取り入れ、健やかな身体作りを目指しませんか。