お酒が好き、甘いものが好き、炭水化物が好き・・・
健康的な食生活を心がけようとしても、好きなものは好きだし、365日摂生するのは大変ですよね。
今回は好きな食べ物を諦めず、上手く付き合っていくためのコツをお伝えします。
お酒を飲むときにはこれを食べるべき!
アルコールを摂ると肝臓にダメージを与えてしまいますが、肝臓は500の仕事をしているくらいとても働き者なのです。
消化・エネルギー代謝・水分代謝・デトックスなど、重要な役割を担う肝臓はまさに体の「肝(キモ)」。
お酒を飲みながらも、「肝臓を修復させる」ための栄養をしっかり摂ることで、アルコールのダメージを抑えることができます。
具体的な方法をいくつかお伝えします。
■脂質が控えめで質の良いたんぱく質を!
脂質が多い食べ物もアルコール同様に肝臓の負担に繋がるため、お酒のお供には、低脂質で高タンパクなお肉、魚、卵、大豆製品を選ぶのがおすすめです。
イカ、タコ、エビなどに含まれるタウリン、貝類に多いクルクミン、亜鉛などは肝機能を高めてくれます。
■ビタミン類、ミネラル類をしっかり摂る
肝機能修復のために、大量消費されるのがビタミンとミネラル。
特に水溶性のビタミン(ビタミンB群、ビタミンC)やマグネシウムはアルコールを摂取することで体外に排出されやすいため、充分に摂取する必要があります。
お酒を飲んだ翌日に足がつる人はマグネシウム不足になっている可能性高いので特に意識してみてください。
■ポリフェノール類、抗酸化作用の高い食材を摂る
肝臓は消化・代謝活動なども担っている臓器のため、活性酸素が発生しやすい臓器です。活性酸素は臓器の老化を早め、肝機能の低下にも繋がります。
お酒を飲む頻度が多い方は、ポリフェノール、ビタミンA、C、Eなどの抗酸化作用の高い食材を普段から意識的に摂ることをおすすめします。
抗酸化作用の高い食材:
ブロッコリー、ブロッコリースプラウト、ほうれん草、小松菜、ケール、ピーマン、パプリカ、アボカド、ブルーベリー、柑橘系のフルーツ、キウイなど
DELIFAS!の管理栄養士がおすすめする、お酒を飲むときにぴったりの食べ物をご紹介します。
(1)アクアパッツァ、ブイヤベース
良質なタンパク質、タウリン、クルクミンを含む白身魚・魚介に加え、野菜やトマトなどの野菜が摂れるため、肝機能に必要な栄養素がこれ1つで補える優秀なメニューです。
(2)簡単おつまみ
定番ですが、冷奴、枝豆、スルメがおすすめ。
冷奴はタンパク質、大豆イソフラボン(ポリフェノール)、マグネシウムが含まれます。オクラなどのお野菜も合わせればさらに、ビタミンも補えます。
そして枝豆は、タンパク質とビタミンB群が多いため二日酔いの予防にも効果的。乾きもの代表スルメも、タウリンが含まれているため肝機能を高めることができます。
塩分を摂りすぎる可能性もあるため適量を摂取するよう注意ください。
(3)ブロッコリーとエビのハニーマスタード和え
ここからは簡単に作れるレシピをご紹介します。
茹でたブロッコリーとエビに粒マスタード、はちみつ、しょうゆを混ぜ合わせれば出来上がり。
ブロッコリーに含まれるイソチオシアネートというポリフェノールは、肝機能の働きを助けてくれます。
さらにブロッコリーはビタミンB,A,Cも豊富で、アルコールによって排出されてしまうビタミンを補填しながら抗酸化作用も期待できます。さらに低脂質でタウリンの多いエビと合わせれば肝機能の修復に役立ちます。
ダイエット中も甘いものを諦めたくない!
『ダイエット中に甘いものは良くない..』とは分かっていても、甘いものが好きな人にとって全く食べないのは無理ですよね。
もちろん食べ過ぎは良くないですが、甘いものの吸収を抑える方法をお伝えします。
■甘いものを食べたあと、プラスで摂りたい栄養素
甘いものに含まれる糖質をエネルギーに換えるためにはビタミンB1が必須。つまり、ビタミンB1が体内で不足すると脂肪として蓄えられやすく、逆にしっかり摂れていればエネルギーに変わって脂肪に変わりにくくなります。
頻繁に甘いものを食べる人ほどビタミンB1が消費されやすいため、積極的にビタミンB1を摂ることがポイント!
ビタミンB1が豊富な食材:
玄米、胚芽精米、小麦胚芽、オートミール、豚肉(ヒレ肉、もも肉がオススメ)、レバー、かつお等
さらにビタミンB1は水溶性のビタミンで身体のなかに留まりにくいため、「硫化アリル」を含む食品と一緒に摂ることで安定化し、長く留まることができます。硫化アリルは臭いの強いねぎ、にら、にんにく、たまねぎなどに多く含まれます。
甘いものを摂りすぎた時にオススメのメニュー(例)
- 豚肉とネギの炒め物
- レバニラ炒め
- カツオのたたき たまねぎスライス&キムチのせ
甘いものを摂りすぎてしまった後の食事は、ご飯や麺などの炭水化物を控え、上記のような料理を取り入れてみてください。
■甘いものを食べるタイミングも重要
甘いものを食べる時間として、夜の時間帯は控えましょう。
夜はもう寝るだけで活動量が少なくなるため、食べても燃焼されにくくなります。また、それだけではなく、BMAL1という体内の脂肪合成に関わるタンパク質は夜間に増加します。
夜に食べるほうが脂肪になりやすい原因は、このたんぱく質が関わっています。「寝るまで3時間あるから大丈夫!」と油断せず、甘いものを食べるタイミングは、日中。日が出ているうちにしましょう!
ご飯や麺、パンが大好きなあなたへ
これらも糖質を多く含んでいるため、甘いもの同様にエネルギー変換にはビタミンB1が必須です。
摂りすぎた時にはビタミンB1を摂取するよう意識しましょう。また、以下を意識するとさらに吸収を抑えることができるのでおすすめです。
■ご飯は冷やして食べる!?
炊いたご飯を冷やすと「レジスタントスターチ」と呼ばれる物質(でんぶん)が増加します。
レジスタントスターチとは「消化されないでんぷん」という意味で、消化されにくく吸収スピードも遅くなるため、血糖値の上昇がゆるやかになり太りにくい効果があります。
炊きたてのご飯に比べて、冷ましたご飯には約1.6倍の量のレジスタントスターチが含まれていると言われています。
レジスタントスターチは、ご飯であれば1時間程で冷やされた場合に最も増加すると言われています。急速に冷やされたコンビニ等のご飯等よりも、自宅で炊いたご飯をゆっくり冷やすほうがおすすめです。
また、おにぎりやお寿司などもレジスタントスターチが含まれているため、吸収されにくいと言えます。このレジスタントスターチは、発酵食品と一緒に摂ることで善玉菌を効率的に増やすことができるということも示唆されています。
梅干し入りおにぎり、納豆巻きなどの組み合わせは腸活にも役立ちます。
ご飯に関するデータの方が圧倒的に多いレジスタントスターチですが、パンや麺に関しても冷たいものはこのレジスタントスターチが増えるようです。
ただしパンや麺は、脂質や塩分など他の要素も加わってくるので一概にレジスタントスターチの話だけでは片付かない部分もあります。
■食べる順番とスピード
食事の食べる順番、スピードを意識することでも糖質の吸収を抑えることができます。
糖質を摂取すると血糖値が上昇し、それを脳が察知してインスリ(糖が脂肪細胞に吸収されるのを促す)が分泌されます。
この時、血糖値の上昇スピード(GI値)が急激であればあるほど、このインスリンが大量分泌します。緩やかに上昇するとそれだけインスリンの分泌も抑えられ、脂肪細胞への吸収も抑えられるメカニズム。
だからこそ、血糖値の上昇スピード(GI値)を緩やかにすることで、炭水化物を食べても吸収しにくくなります。食物繊維から食べてGI値の上昇を抑えるのが、食べ方のポイントです。
食物繊維は糖質の吸収をゆるやかにして血糖値の上昇を抑えます。
野菜類、海藻類、きのこなどに多く含まれる食物繊維を先に摂取することで、GI値の上昇を抑えましょう。
この時、かぼちゃや芋類など糖質が多めの野菜を先に摂ると糖質も同時に摂ってしまうため、なるべく糖質の少なめで食物繊維の多い、海藻類、きのこ類、ブロッコリー、葉物、アボカドなどがオススメです。
「炭水化物が好きな方ほど早食いの傾向があります。」とDELIFAS!の管理栄養士のなかではよく聞かれます。
食事の時間を意識することは少ないですが、早食いもGI値を上げる要因のひとつです。一食に20分をかけて食べるのが良いと言われます。
よく噛んで食べることを意識するのはもちろん、ながら食べをしない・一食を2回に分けて食べる・小さなスプーンを使う・一度に口に運ぶ量を少量にするなど、必然的に食事にかける時間が遅くなるように仕向ける工夫をしてみてはいかがでしょうか。
(参考)